Googleが「10の事実」のド頭で伝えたかったこと

 

Web文章コンサルタント おだじまみえです。

たまたまついていたテレビで耳にしたのですが、

高校ラグビーで優勝したチームの主将が
(だったと思いますが、違ったらごめんなさい)

「一つ一つのプレーを100%でやろう、と声をかけていました。
99%じゃダメだ、と」

と、言っていました。

ああ、明確でいい言葉だなあ、と思いました。

何がいいかと言うと、
「99%じゃダメだ」の部分です。

 

「100%でやろう」

これでも意味はわかります。
でも、正直ありきたりですよね。

「は〜い、全力でやろうってことですよね。
わかってま〜す」

とか思われて(そんなチャラい部員はいないか)
刺さらなそうです。

 

でも

「99%じゃダメだ」

と言われることで、
「残り1%」の持つ重みが
突然、クローズアップされ

「100%」の意味が明確になります。

 

これにより、
最後の1%まで、力を出し切ることが
できたのでしょう。

 

こんな風に、何かを言う時

「○○ではなく」

「○○よりも」

のように、比較対象を示すことで
伝えたい意味が明確になります。

 

例えば、Googleの理念
(正確には「Googleが掲げる10の事実」)
を知っていますか?

一番重要な1つめは、こう書かれています。

–(ここから引用)————————-

1.ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる

Googleは、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。

新しいウェブブラウザを開発するときも、
トップページの外観に手を加えるときも、
Google 内部の目標や収益ではなく、
ユーザーを最も重視してきました。

(中略)

金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。

(後略)

–(引用ここまで。改行は引用者)——-

 

「ユーザー目線に立ちます」
「ユーザーの満足度を追求します」

と、どこの企業でも言います。

 

しかし、

「ユーザーは他の何より大事なのか」
「では、ユーザーの利便性より優先順位が劣るものは何なのか」

については、
あまり明確にされません。

しかしGoogleは
「広告主よりユーザーが大事」
とハッキリ言っているのですね。

 

ユーザーにそっぽを向かれれば
広告もつかなくなるのですから、
当たり前といえば当たり前なのですが、

しかし意外とこうした本質を見失い、
混乱している企業は多いですよね……。

 

このように優先順位を明確にするからこそ、
「ユーザー第一主義」が
単なる理想やお題目でなくなり
現場での日々の判断基準として、機能していきます。

 

よく言われることですが
曖昧な言葉は、曖昧な結果を生み
明確な言葉は、明確な結果を生むのです。

 

あなた自身が理念を考える時にも、
明確な言葉が重要です。

 

それから、
もっと日常的な話で言うと

例えばお客様に対して
言葉に説得力を持たせたい時、

比較対象も一緒に言うと、
伝わり方が変わります。

「5回だと変わらないです、
10回やってみましょう」

「今は、新商品の開発よりも
既存客のケアを優先させましょう」

など。

ぜひ、明確な言葉を意識してみてくださいね。